1.生産…鉢物が育つ場所

日本の鉢物、花木類の生産農家は約4万5千戸。各土地の気象条件を生かして北海道から沖縄まで全国に広がっているよ。各土地の気候や風土を生かした花々が栽培されているんだ。

収穫までにはどのくらい時間がかかるの?

花壇苗では、種子を播いてから収穫までにかかる時間は、早いもので3ヶ月。平均は4ヶ月~6ヶ月間かな。苗から育てられる場合もあるけど、出荷までに必要な時間はだいたい同じだよ。 でも、観葉植物のように仕立てに時間のかかるもののなかには、3年以上ハウスの中で育てられるものもあるんだ。

種子や苗はどこからくるの?

種子、苗、球根は、基本的に種苗会社から買うパターンが多いけど、「ブリーダー」といって、自分で新しい品種を開発する生産者もいるよ。

2.出荷…鉢物が市場にやってくるまで

鉢物は鉢のサイズに応じてプラスチックのケースに詰め込まれて、ケース単位で出荷される。花壇苗の場合24鉢入り、5号鉢の場合6鉢入りなどだね。利用者は返却して、鉢物の詰められたケースは棚付きのトラックに並べて積載されたり、ケースを載せた台車ごとトラックに積載されたりする。FAJではアルフロックを使用しているよ。

鉢物は個人で出荷される場合が多いけど、一部では地域の園芸組合など団体単位で出荷される場合があるのよね。

商品はセリ分として出荷されるほかに、買参人から注文を受けて市場の方から出荷を依頼する予約相対の場合があるよ。生産者からの集荷依頼やこちらからの注文に応じて、提携している運送会社に集荷を依頼して、産地内を運送会社の集荷便のトラックが回るんだ。

3.入荷・セリ…ついにセリ本番!

愛知方面は前々日の夕方から、関東・東北方面は前日の夕方から出荷がはじまって、市場にはセリ当日の明け方まで大きなトラックが次々と到着するんだよ。

荷受けされた商品の容器に、産地、商品情報などが書かれた「荷受けシール」が貼られているわ。

買参人は、セリの前に入荷した商品の下見をしてセリに備えるんだ。鉢物のセリは原則的に火、木、土曜日に行なわれるよ。

セリは7:30から「おはようございます」の挨拶を合図にスタートするのよね。

FAJでは平成7年9月から機械ゼリを導入しているから、買参人端末のボタンを押すことによって、ひとつの商品は数秒で競り落とされる。このセリシステムによって買参人にはお買上明細書をセリの途中と終了後の2回発行し、生産者には売立通知書をその日のうちに郵送またはFAXで送ることができるんだ。

小売店の中にはセリには参加せず仲卸から仕入れるところもあるんでしょ。

うん、買参人には小売店のほかに、仲卸や問屋さんもいるんだよ。

4.分荷・搬出・販売…そしてお客様のもとへ

FAJでは量販店の各店舗別の仕入れに対応して積込リスト作成するデータベースが確立しているんだよ。購入した商品は、積込み作業をスピーディにするために、買参人ごとの積込チェック表を随時出力できるようになっているんだ。競り落とされ、購入シールを貼った商品は、荷集めの作業がしやすいように登録した置き場に戻されるんだ。

そして買参人は、お昼には仕入れた花をトラックに積み込んで、販売店へと戻っていくのね。

なかには地域外の市場へ転送される花もあるけど、セリのある日は市場の周りが小売店のトラックでいっぱいになるんだ。 FAJでは量販店の各店舗への配送サービスもあるよ。

そうして鉢物たちは、店頭でお客様を待つことになるのね!