ごあいさつ
スコットランドの植物学者であるロバート・フォーチュンは1860年に幕末の日本を訪れ、街中で人々が植物を育てている様子を見て驚いたそうです。
そのことを著書「幕末日本探訪記 江戸と北京」の中で「日本人の国民性の著しい特色は、庶民でも生来の花好きであることだ。もしも花を愛する国民性が、人間の文化生活の高さを証明するものであるとすれば、日本の庶民はイギリスの庶民と比べると、ずっと勝ってみえる」と書き記しています。
江戸の昔から我々は花を愛で、花のある暮らしを送ってきました。
現代においてもその実現のために、社会的インフラストラクチャーである卸売市場は生産者から実需者をつなぐコーディネーターとしての役割を果たしてきました。
数ある卸売市場のなかで、当社は1990年にアルミ台車アルフロックを開発し、産地から小売店までの一貫した台車物流の導入、2002年にはエルフシステムを開発し、切花のバケットによる湿式流通の普及、2004年には冷暖房を完備して卸売場の増築、さらに情報システムに積極的に投資して取引のIT化を進めるなど、花き流通におけるフロントランナーとして革新的な取組を行ってきました。
このことは効率的な物流や花の日持ち向上、正確な取引の成約と事務処理の迅速化など効果をあげてきました。
しかし、少子高齢化による社会構造の変化、規制緩和による流通、小売業の多様化、インターネットやSNSの普及による情報伝達の変化、法改正による雇用と労働環境の変化、消費活動の変化、そして世界的な感染症拡大による社会活動の変化と我々を取り巻く環境は急速に大きく変化しています。
当社は卸売市場の機能強化を進め、JFIグループとして、これからの環境変化に対応したより効率的で新しい花き流通を創造するチャレンジを行ってまいります。